My Diary
〜 日々の喜怒哀楽をつづった日記帳 〜
| ■ バルチックの最新モデルが、新コレクションのスタートを華々しく飾る。 |
2025年09月25日(木) |
| |
今年、バルチックがパーペチュアルカレンダーを発表するとは思いもしなかった。確かに、Only Watchならではのユニークピースだった。しかしそれでもこのフレンチブランドは、創業から6年のあいだに、最高のヴィンテージデザインテイストを持つ手頃な価格の時計を求める人々に愛される時計ブランドのひとつにまで成長した。なのにパーペチュアルカレンダー? 次のイメージは? これはバルチックが市場を拡大させ、その基盤を置き去りにしてしまうきっかけなのだろうか?
そんなことはない。バルチックは今でもエントリーレベルの価格帯で時計を打ち出している。同ブランドの新作、エルメティック ツアラーはその証拠である。
ブランドがヴィンテージウォッチからヒントを得ようとするとき、急速に規模が縮小したり成功しなくなったりする危険性がある。そして一部のブランドは“複製”を作ることに傾きすぎてしまう。これはクォーツ危機で消滅したブランドおよび、ヴィンテージブランドが現代的なスペースで何をするのか推定するための、現代的なデザイン言語や系譜を持っていないブランドには有効かもしれない。しかし、パテックフィリップスーパーコピーn級品 代引き当時の人々が実際に好きで、また今でも好きかもしれない、無名の参考文献がなくなるリスクもある。
ほかのブランドは伝統を持たないなか、評判のよくない再現モデルを作っている。価格が原因の場合もあれば、“創造的所有権”に関するコミュニティの議論が原因の場合もある。しかし、新しいブランドを立ち上げ、“適切な”量のヴィンテージインスピレーションを与えて、時計愛好家を満足させるのは難しい。それでもバルチックはその難事を成し遂げていると思う。
バルチックは10月5日に新しいエルメティックコレクションと、それに属するツアラーモデルを発表した。ツアラーとは、探究心をもとにしたデイリーユースデザインというツールウォッチ(ある意味ではフィールドウォッチかもしれない)に対するブランドの見解である。それにしてもこの新モデルに採用された3・6・9・12の文字盤レイアウトを見て、“これはロレックス エクスプローラーへのオマージュだ”と思わなかったのは、ちょっと不思議だ。その理由のひとつは、ほかにも多くの機能が盛り込まれていて、エクスプローラーやその他の機能と十分に差別化されているからだ。
ケースのデザイン自体も注目に値するが、ディテールを掘り下げる前に、大まかな特徴を整理しておこう。ツアラーは厚さ10.8mm(ダブルドーム型サファイアを除くと8.3mmなので、装着するとより薄く感じる)、そして古典的な37mm径のステンレススティールケースを備える。ラグからラグまでは46mm、ラグ幅は20mmで、文字盤カラーとマッチするフルオロカーボン製のトロピックラバーストラップや、(少しだけ割高になるが)ライスブレスやフラットリンクブレスレットのオプションに加えて、NATOストラップのモンスターになることは間違いない。また、約150mの防水性を備えており、ほとんどの人が(どんなシーンでも)使用できるだろう。
ツアラーには4色のダイヤルカラーが用意されている。写真上だと、私の大好きなグリーンかトロピカルブラウンの文字盤が勝つような気がした。だが実際手に取ってみると、それほど単純な結末ではなかった。
文字盤はすべてマット仕上げで、スーパールミノバを塗ったアプライドインデックスを配している(グリーンとブラウンはオフホワイト、ベージュとブルーはより純粋なホワイトだ)。写真で見るとブラウンダイヤルは赤みがかったブラウンからブラックへとフェードアウトするグラデーション効果があるように見えた。でも実際に見てみると、その効果がないことがわかる。その代わり、ダイヤルの内側には金属製のリングがあり、それが夜光を施した5分刻みのマーカーを二分し、周囲の環境から少し色を拾っているようだ。
外側には分単位を示すための黒いチャプターリングに印刷されたレイルウェイがあり、このクラシカルなルックスに役立つ。驚くことに明るいベージュダイヤルのコントラストがよりはっきりしていて、私のいちばんのお気に入りになった。
グリーンダイヤルはこのなかで2番目に好きかもしれない(ブラウンやブルーを否定するものではない)。自身のコレクションのなかにはトロピカルダイヤルがあるのだが、ブルーはほかのものと比べると定番モデルのように感じられる(だからきっと売れると思う)。しかしベージュの文字盤はより珍しく、魅力的に感じられる。
ほかにも、ポリッシュ仕上げのSSでできた“注射針”のような針に、スーパールミノバとマッチした素晴らしいディテールもある。夜光インデックスに話を戻すと、このような手頃な価格の腕時計としては細部にまでこだわったような、3次元的アプローチが気に入っている。また、この夜光塗料は紫外線を浴びるとすぐに“充電”されるようだ。太陽の下で少し時間を過ごすと、たとえ影のなかを歩いたとしても、夜光が明るく輝いているのがわかる。もちろん、夜光は本来の機能を果たすと期待されているが、夜光の品質と強度は使用方法によって大きく異なってくる。“スーパールミノバ”という言葉は必ずしも毎回同じ効果を保証するものではない。
価格について言うと、すべて税抜きで、トロピックストラップが550ユーロ(日本円で約8万7000円)、ライスブレスとフラットリンクブレスレットがそれぞれ615ユーロ(日本円で約9万7000円)である。私はブレスレット派だが、もしこのツアラーを持っていたらカラーを揃えたトロピックストラップにつけたいと思う。いずれにせよ、今年発売されたなかで最も手頃な価格のオプションのひとつのように思える。
ツアラーにはコストを抑えるのに役立つ、Miyota製Cal.9039を使用する。バルチックはそれが“堅牢性と信頼性”のための正しい選択だったと確信している。また、このムーブメントには約42時間のパワーリザーブを備えており、日常使いとしては十分だ。最も精度に優れたキャリバーとは言えないかもしれないが、ブランドが価格を維持しようとするときにはしばしば採用されるムーブメントである。率直に言ってこれは公平なトレードオフだ。
新しいエルメティック ツアラーのが持つ、あるクールな部分をじっくりと説明しよう。それは今年最もさりげなくヴィンテージテイストを取り入れた箇所だ。写真を見てお気づきだろうが、リューズガードがない代わりに(あるいはリューズガードがなくとも)、リューズはケースと一体化している。しかし、どこからともなく出てきた巧妙なデザインではない。その歴史はもっと古い。
このディテールは、1950年代のミドー マルチフォート パワーウィンドウォッチで使用されたフランソワ・ボーゲル(François Borgel)製ケースをほうふつとさせる。少し前にショップでも紹介したが、二次市場ではまだ比較的手頃な価格で流通している。IWCのハーメットもあったが、こちらもすべてのバリエーションがかなり手頃だ。しかし、BOSS HUNTINGのニック・ケニオン(Nick Kenyon)氏によれば、エルメティックという名前もボーゲルに敬意を表しているようだ。
ボーゲルは防水時計にこだわっていた。モバードからパテックに至るまで、彼が手掛けたスクリューバックケースは、すべての時計のなかで最も注目を集めるヴィンテージケースのひとつである。しかしそれよりもずっと前に、ボーゲルは3ピースケースを使った懐中時計を“防水”仕様にした特許を取得している(本当の防水時計というものは存在しないことはわかっているが)。特許には“エルメティック ドゥ 3ピース(Hermétiques de 3 pièces)”と明記されていた。ケニオン氏は、バルチックがその特許から名前を取ったというのは陰謀論だと主張した。真実でないことはあまりにも明白だと思うので、私はそれを信じることにした。これは私が今年見たなかで最も手頃な腕時計のひとつだと信じているのと同じように。
発売はパリ時間の10月10日、午後4時だ。各色最初の200本にはシリアルナンバーが付けられるが、在庫数は200本で制限されないため、この記事を読むのが少し悪れてもあまり気にしないように。
バルチック エルメティック ツアラー。316Lステンレススティール製リューズ一体型ケース、37mm径、10.8mm厚、ラグ幅20mm、ラグからラグまで46mm。150m防水。グリーン、ブルー、ベージュ、ブラウンのマット仕上げダイヤル、スーパールミノバ®C3 X1(グリーンとブラウン)、またはBGW9(ブルーとベージュ)。自動巻きCal.Miyota 9039搭載、時・分・センターセコンド、ストップセコンド、約42時間パワーリザーブ。ソリッドバック。無反射コーティングを施したダブルドーム型サファイアクリスタル。フルオロカーボンラバー(FKM)製のトロピックストラップ、またはSS製ライスブレスレット、またはSS製フラットリンクブレスレット。価格はストラップタイプが550ユーロ(日本円で約8万7000円)、ライスブレスとフラットリンクブレスレットがそれぞれ615ユーロ(日本円で約9万7000円) |
|
|
| ■ ポルシェデザイン ミリタリーにインスパイアされた250本の限定モデルを発表した。 |
2025年09月25日(木) |
| |
ポルシェデザイン ミリタリーにインスパイアされた250本の限定モデルを発表した。
ポルシェデザインは拡充するクロノグラフ1のバリエーションに、新たなモデルを投入すると発表した。今回は、クロノグラフ1のオリジナルデザインが持つクールで珍しいバリエーションという、ブランドの輝かしい歴史からインスピレーションを得ている。同ブランドのファンであれば、すぐにそれとわかるだろう。スーパーコピー時計n級品 代引きしかしこれは新しいポルシェデザインの“ミリタリー”ではなく、ポルシェデザインの“ユーティリティ”なのだ。
PD Mankei TiC ユーティリティという名前は、この250本限定の新モデルにふさわしい名前だが、それはブランド独自のチタンカーバイドで作られた新しい実用的なケースを備えているからにほかならない。(ブランドにおいて)チタンカーバイドをクルマ以外の時計に使用したのはこれが初だ。つい2週間前の週末、手首に巻かれたチタンカーバイド製ダカール 911をレンシュポルトで見たばかりだった。今回、ブランドは民生向けのヘリテージに踏み込んだわけではない。代わりに、有名な(そして憧れの)ポルシェデザインのヴィンテージ作品から、軍事的な用途のためのものを転用したのだ。
反射防止加工を施したブラックコーティングケースは、すぐに西ドイツ連邦軍とアメリカ空軍の注目を集め、水素同位体トリチウムの使用を意味する赤い円形の“3H”マークを文字盤に入れた時計を製作し、オルフィナとポルシェデザインのロゴを“ミリタリー”に置き換えた。さらに最も希少なアメリカ空軍のモデルには、“U.S. Air Force”と“Tiger”という文字が、虎のロゴの上に記されていた。
PD Mankei TiC 今回、ポルシェデザインはそのロゴを猛々しいマーモット(オーストリアのピンツガウでは“マンケイ”と呼ばれる)へと変更。マンケイとはまた、グロスグロックナー・アルプス山岳道路沿いに位置する、フェルディ・ポルシェ(Ferdi Porsche)氏の新しい目的地でもあった。
TiC(チタンカーバイド)ケースには、独自の自動巻きフライバッククロノグラフである、COSC認定済みCal.WERK 1.240ムーブメントを搭載する。また、軍の伝統にちなんだレザーストラップに加え、ツェル・アム・ゼー(ピンツガウ)で開催されるF.A.T.アイスレースの開催地の座標を記したホワイトのテキスタイルストラップが付属する。どちらもクイックリリースで交換可能だ。サイズは直径42.7mm×厚さ15.5mm、防水性は100mを実現。250本限定で、現在1万3000ドル(日本円で約195万円)で予約受付中だ。なお2024年1月25日からは、(正規取り扱いの)店頭でも販売される。
PD Mankei TiC 我々の考え ブラックコーティングされた時計、軍用時計、そして1970年代のデザインに対する私の愛については、まだまだ語り尽くせない。ただもういちど聞く必要はないと思うので、アイコニックな時計に古くから愛されてきたバリエーションを加えて、さらにちょっとした遊び心も取り入れたのが、かなり嬉しい驚きだったとだけ言っておこう。
PD Mankei TiC ヴィンテージのポルシェデザイン クロノグラフ1のバリエーションは山ほどある。実際9月末だけでも、レンシュポルトで4種類ほど見かけた。ただほかの腕時計も同様に言えるが、最もクールなのは間違いなく軍用モデルだと思う。アメリカ空軍のタイガーダイヤルは、何年探しても売りに出されるのを見つけられない。ブラックコーティングケースの雰囲気にマッチした、クールでタフで、いかつい時計だ。だから、この新しい文字盤に猛々しいマーモットをデザインするなんてと、私は大笑いした。
そしてそれは素晴らしいことだ。必ずしも過去のモデルを完璧に再現する必要はないし、時計は常に真剣である必要もない。フェルディ・ポルシェ氏がマンケイで行っている取り組みにより、この時計は20年後には、ポルシェとポルシェデザインによるクールなものの新時代の幕開けを象徴するアイコニックな存在になっているかもしれない。
PD Mankei TiC 1万3000ドル(日本円で約195万円)という価格はかなり高額であり、素晴らしいコンディションのヴィンテージミリタリー クロノグラフ1より高いかもしれない。ただCOSC認定を受けたムーブメントの搭載、およびチタンカーバイドケースの一般的な耐久度は、私のように普段腕時計にかなり厳しい人にとっては、魅力的な選択肢に映るはずだ。つまりこれは、“知っている人”にとってはクールなディープカットの時計なのだ。これであなたも知っている人の仲間入りだ。
PD Mankei 基本情報 ブランド: ポルシェデザイン(Porsche Design) モデル名: クロノグラフ 1 ユーティリティ リミテッドモデル(Chronograph 1 Utility – Limited Edition)
直径: 42.7mm 厚さ: 15.5mm ケース素材: チタンカーバイド(ブラックコーティング)とガラスビーズブラスト加工のチタン 文字盤: ブラック インデックス: ホワイト 防水性能: 100m ストラップ/ブレスレット: レザーストラップ、ツェル・アム・ゼーで開催されるF.A.T.アイスレースの開催地座標を記したホワイトテキスタイルストラップ付属(どちらもクイックリリース機能付き)
PD Mankei TiC ムーブメント情報 キャリバー: ポルシェデザイン WERK 01.240 機能: 時・分・スモールセコンド、日付・曜日表示、フライバッククロノグラフ(30分計、12時間積算計) 直径: 30mm 厚さ: 7.9mm パワーリザーブ: 約48時間 巻き上げ方式: 自動巻き 振動数: 2万8800振動/時 石数: 25 クロノメーター: あり。COSC
価格 & 発売時期 価格: 1万3000ドル(日本円で約195万円) 発売時期: 2023年10月10日よりポルシェデザイン公式サイトおよびポルシェデザイン直営店にて予約受付開始、2024年1月15日より一般発売開始 限定: あり、世界限定250本 |
|
|